Droneドローン業界のキーマンkeyman
未来学者・小林一郎
DPA理事長インタビュー
ドローンが関わる産業は、輝かしい未来が約束されている。
あらゆる産業にドローンは貢献する。あらゆる産業とDPAは連携する。
2017年9月某日、東京都渋谷区、一般社団法人ドローン操縦士協会を訪問、理事長であり、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授、青山学院大学客員教授でもある経営学者(学術博士)小林一郎理事長からお話をうかがえる機会を得た。学者でありながらこれまで様々な企業の起ち上げに携わり、経営指南され、軌道にのるまできちんと導かれる要職を歴任された小林一郎理事長。
2020年東京オリンピック、2025年日本人初の月面探査、それ以降の2030年~2050年までの未来はどうなっていくのか?ドローン・ロボット共創社会とはどのようなことなのか?
イノベーションをビジネスにアジャストするプロフェッショナル、今後のドローン産業発展において間違いなくひとつの鍵を握る小林一郎氏の鋭い先見の明に迫るインタビュー。

昭和30年代「高度経済成長の時代」、
2030年代「超・生産性向上の時代」
昭和30年代高度経済成長期において、3種の神器といえば、自動車、カラーテレビ、クーラー、3Cと言われ私たちの生活を豊かにしてくれました。それでは2030年代以降の未来はどうなっているでしょう?
先ず自動車は「完全自動運転化」されています。次にカラーテレビは「超高精細スーパーハイビジョン」となり、あらゆるものがディスプレイ化されているでしょう。そしてクーラーは?・・・
もうすでに「クーラー」という言葉が死語になりつつありますが、私たちの重苦完全体が大きなシステムで管理された「スマートシティ」となっていることでしょう。
その環境を支えている技術といえば、モノがインターネットに接続するIoT(Internet of Things)です。それが2030年頃には、あらゆるモノだけではなく、ヒトも、どんなときでもつながっているIoE(Internet of Everything,Everytime,Everybody)へと進化しているでしょう。
産業に目を向けると、このIoEが基盤となり、ロボットやドローン、自動運転化された自動車や建設機械、重機が社会に実装され、超高齢化によって心配されている労働力不足も解消されています。もっと言えば人間よりも働きモノですから、人間がやっていることをロボットに置き換え、生産性はさらに高まり「超・生産性向上の時代」を迎えていることがイメージできます。
ドローン・ロボット産業の市場性
NEDO:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(www.nedo.go.jp/)によれば、日本国内だけでもロボットドローン産業に市場規模は2025年で5.3兆円、2035年には約10兆円(9.7兆円)に達すると予測が出ています。(ロボット総合市場調査報告書)。
これまでは製造分野の産業用ロボットが主力でしたが、これからはサービス分野「医療・介護」「物流」「セキュリティ」「清掃」「検査」「メンテナンス」の比率が高まっていきます。我々の社会により近いところでドローン・ロボットが活躍していくわけでドローンが活躍するのは実際どんな場面ですか?どんな産業ですか?は、よく聞かれる質問です。
一般的には「空撮」「農業:農薬散布、地質管理」「建設インフラ」「3D測量、老朽化検査」「警備・監視」「災害対策・救助」「輸送・物流」と言われています。そんな時、私は「あらゆる産業、あらゆる場面にドローンのニーズはあります。」とお答えするようにしています。
ドローンに搭載された高精細カメラ、赤外線カメラから得られる情報は非常に膨大です。これまで日本の産業を牽引してきたセンシング・解析技術との相性も抜群に良いと思います。鍼灸の技術が融合して新しいイノベーションが起こることを期待しています。
当協会のシンクタンクチーム調べでは、ドローン操縦士は2020年までに14万人以上必要とされる見込みです。あらゆる産業にドローンを紹介し、普及することを目指してDPAもあらゆる山容と連携していく行動を実践します。
先なる時代の航空安全の保全と
社会的価値の創造を目指して
本協会は、ドローン操縦士資格認定期間として国交省登録管理団体に指定されており、操縦技術・知識、機体整備の技術・知識を体系的に習得できるカリキュラムを作成し航空安全の保全活動に努めております。
さらに、本協会の特長でもある産官学各分野を代表する有識者・リーダーの方々との連携から、ドローンの有効活用、新たな社会的価値の創造に貢献していきます。
DPAはイノベーションが起こりやすい環境基盤としてのエコシステム(社会に迅速に普及する効率的な仕組み)の役割を担っていきたいと考えております。
これからの時代に必要な制度
急速に進化・発展しているドローン技術の多様化と高度化、産業用と、活用領域も飛躍的に拡大しています。新しい発想に基づく制度づくり、機動的な見直しができる柔軟な組織づくり、常にオープンに情報交換できるコミュニティ、可能性に富む社会成長の勢いを止めない制度・組織が重要ではないでしょうか。
法的な整備、学問的な整備、社会インフラとしての整備が整うのも時間の問題です。現状、民間のライセンスしかないドローンですが、さらに高度な技術、安全管理を要求されるドローン飛行が求められると、パイロットには民間ライセンスではなく、国家資格が必要になってくるでしょう。当然、本協会にはその準備をしております。
自動車産業が道路交通法を始めとした各種制度をしっかり構築し発展してきたように、今後、ドローンにも空中の道路交通法が制度化されていくでしょう。
羽田・成田の飛行場のように、ドローンにおいても管制塔を有するドローン専用飛行場が全国の主要都市から順に建設される日がすぐそこにきています。